【NewsLetter290】緊急支援のお願い NPO法人九州DARC代表 大江昌夫

 連日の厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしようか。

 皆様におかれましては、日頃より九州ダルクの活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。

 私たちの施設では、薬物依存症からの回復を目指す仲間たちが、共同生活や日々のプログラムを通じて、再出発への一歩を踏み出しています。皆様からの温かいご支援に支えられ、多くの仲間たちが前向きに回復の道を歩んでいます。

 しかしながら、昨今の物価高騰やガソリン価格の上昇の影響を受け、施設の運営にも大きな負担がかかっております。特に、食費や光熱費、交通費といった日々の必要経費が増加しており、今後の安定した運営のためには、皆様からのご支援がこれまで以上に必要な状況となっています。

 つきましては、大変恐縮ではございますが、私たちの活動を継続するために、可能な範囲でのご寄付をお願い申し上げます。金額の多寡にかかわらず、皆様のお気持ちが私たちの大きな力となります。どうか、これからも九州ダルクの歩みを温かく見守り、お力添えいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

連絡先 九州ダルク 092-471-5140

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【NewsLetter290】1年のバースデーを迎えて 依存症のパブロ

 この1年は本当に苦しかった1年です。何度もダルクを出ようと考えました。その度に頭に浮かんできたのが、両親、家族の顔でした。僕はダルクに繋がる前、両親に対して怖い思いを散々させて来ました。実家で何度も暴れました。薬の影響で全ては覚えていませんが、そうとうひどい事も言ってきたと思います。1つ覚えているのが産んでくれた母親に対して「何で産んだんだ」と言ってしまった事で、その事に対して今はすごく後悔しています。自分が依存症だと思えた今だからこそ、改めて気付かされた事です。

 両親は今、家族のプログラムを受けていると聞きました。そんな中、僕だけがプログラムから逃げ出してもいいのかと1人考える夜が何日もありました。それでも僕の中にあるエゴの部分が出て来て、施設の代表に、「ダルクを出て行きます」と何度も言いに行きました。その度、代表のトキさんが、両親の事、この先の僕の人生の事について毎回熱く語ってくれました。その中で心に残っているのが「パブロはどういう人生を歩みたいんだ?」と聞かれた時に、僕は「幸せに死にたいです」と答えました。僕にとっての、幸せに死にたいと言うのは、周りに家族が居てくれて、笑って、生きてきて良かったと思いながら死ぬことです。僕には大好きな姪っ子が2人います。その子たちにも僕が死ぬ時には近くに居て欲しいです。そのためには、やっぱり今は逃げ出さずプログラムをやり続ける事だと少しずつですが気持ちが動き始めました。そう気付かせていただいたトキさんには感謝しかありません。

 でも、気付いたあとでもやっぱり、僕のエゴが出てくる事があります。正直、本当に苦しいです。今すぐ逃げ出したいと思う夜もあります。でも、やっぱりそんな時、思い出すのが、トキさんと話しをした事や家族の顔です。もう自分のエゴに従い、アディクションに負けてしまう人生は嫌です。たぶん、次にアディクションに負けてしまう時は命が無いと思います。

 このニュースレターを書く少し前にも仲間が亡くなってしまっています。本当に悲しい事です。もう僕は誰かを傷付けたり誰かを悲しませてしまったりする事は嫌です。そのためにも今は逃げ出さずプログラムをやり続け回復していきたいです。

 もう1度言いますが本当にこの1年は苦しかったです。将来に対する不安、僕と同年代の人に置いて行かれるのではないかとしいう不安、なりたかった自分像とは違う現実による悔しさなど逃げ出したくなることが多くあります。その度にこれからは相談を増やしていこうと思います。1人で考え、1人で行動してしまう事は危険だということも分かるようになつてきました。エゴに従う前に先行く仲間に相談していこうと思います。

 この1年、逃げ出さずプログラムをやり続けて本当に良かったと思います。支えてくれた代表、スタッフ、仲間のみなさんには感謝です。これからも苦しいことはあると思いますが、2年に向けて今日1日でがんばりたいと思います。

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【NewsLetter290】5年のバースデーを迎えて 依存症のノクト

 7月のバースデーミーティングの前まで、プレッシャーを感じていました。5年を迎えて、こうあるべきだとか、こうありたい、こうなっているはずの自分を考えて、そう見られたい、見て欲しいと考えて、良く見せようとしてプレッシャーに感じていました。理想の自分を演じようとする程、プレッシャーや焦りが強くなっていきます。

 去年の8月頃から、施設で役割を与えられました。もう一人の仲間と、他の仲間のサポートや施設と仲間の間の連絡係のような事をしています。その中で、自分に対する期待が高すぎるという事が、分かってきました。これ位なら、人に聞かなくても分かるとか、自分の裁量で何とかなるとか、他の人より分かるし、出来るという考え方が自分の中にあります。

 でも、実際には、人に聞かないと出来ないし、自分で判断がつかない、他の人の方が発想が柔軟で効率が良い。理想の自分像と現実の自分像のギャップに気付く事ができました。

 今までは、理想の自分像(完璧な自分)に近づく努力をしていました。その努力は、見栄を張ったり、誤魔化したり、嘘をついたり、知ったかぶりをしたり。

 全然うまくいかなし、そもそも完璧な自分って何だ?と疑間が持てるようになりました。今では、理想の自分像ではなく、現実の自分に近づける努力をしています。すんなりとはいかないですが、時間がかかってでも、焦らずにやろうと思つています。

 分からない事を、恥を忍んで聞いた時、すっきりとしたり、聞いてよかったと思えます。分かったふりをしなくて良い自分が好きに思える事があります。人にできていない事を指摘された時、落ち込む時間も短くなったし、何より、何故相手がそう伝えたのかを考えると、自分がやれていなかったり、嘘やごまかし、痛い所ををつかれているから後ろめたさから落ち込んでいただけでした。

 最近では、言われている事は事実だから、こうしていこうと思って前向きになれたし、人と話すときの恐れも減ってきました。人に何か伝える時、恐れから何も言えなくなる事は減ってきて、とにかく会話になるよう沈黙は避けるように話す事を意識しています。

 前向きな気持ちで人と接していると、心に余裕が出来て、深刻になりすぎずに済んでいます。自分に何が足りないのかを気付く事もあります。恐れてでも行動する勇気や、仲間との共有、とにかく確認する事です。

 なにをやっていったら、自分が楽になれるのかが分かっているので、感情は日々動くし、嫌だなあと思ってしまう事もあるけど、感情とは関係なく動く事を、意識して選ぶ事が増えました。

 悲観的になる事が多いですが、1年前と比べて、自分を好きになれそうな気持ちが強くなっているので、もっと自分に自信を持てるように行動していきます。

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【NewsLetter290】家族会8/24 支援する会は休み

家族会
日時:2025824日(日)13:00受付開始
場所:福岡市市民福祉プラザ(ふくふくプラザ602号室 福岡市中央区荒戸3丁目3番39)
講師:トゥデイ多機能型事業所施設長 平山昌一氏 NPO法人群馬ダルク施設長 福島ショーン氏
参加費:個人参加費2,000円 家族参加費3,000円

支援する会
8月の支援する会はお休み。

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【NewsLetter289】2年のバースデーを迎えて 依存症のマー

 2年のクリーンを迎える事が出来ました。前回のスリップから、病院の入院もなく落ち着いた日々を送れています。

 色々なプログラムをやっていて、最近、「良心」を意識するようになってきました。昔は悪い事など「悪心」が格好いいと思っていました。でも、最近良い事など「良心」の方が格好いいし、自分に合っていると思えてきました。

 クリーンが続く事で頭もクリアになり、昔は無理して悪い事「悪心」で、生きてきたんだなと思えてきました。

 今、筋トレ、料理、ジョギング、字の練習、PCのタイピング等、自分が出来る事(自信)が持てる事ができた事も僕が、良い心が持てていることの一つだと思います。自分に自信が持てなかった昔は、劣等感が強く、人が喜んでいたり嬉しそうにしていたりしたら何とか足を引っぱれないかな?何か悪い事が起きないかな?と、歪んだ考えしかありませんでした。

 運動も良心が大きくなった理由の一つです。筋トレ、ジョギング等の運動も九州ダルクに来てから始めたことです。何もしないで一日を過ごすと悶々と悪い事ばかり考えてしまいます。筋トレをしているともっともっと上へ、理想の体へと向上心が生まれ良い事を考えプラス思考になります。

 薬物をやっていた時はどんどん悪い方にいっていると思いながらも薬物がとまらずどんどん底に向かっていました。

 今クリーン、薬物が止まって2年を迎えられ底に通じる道路から降りたんだなと、実感できています。自分にとって良い方向に向かっていると思います。まだ、仲間に反応してしまう事がありますが、自分の問題を見る練習を最近~1年前~位に始まった日記を通してしています。なかなか自分の問題が見られず人のせいにして仲間を裁いている自分がいます。僕の生きづらさの一つです。仲間に反応した時その仲間の出来てない事、悪い所ばかりに目を向け頭の中で裁いています。その時自分も苦しいのにそれが止まりません。

 でも最近は、反応した時、その仲間の出来てない事、悪い所ではなく出来ている事、良い所に目を向けるようにしようと今、やっているところです。反応はなくならないですが、反応を引きずる時間が短くなった気がします。引きずる時間が短くなった分、自分が苦しんでいる時間も短くなりました。

 ワークショップの時、「自分のGOOD」ではなく「自分のBEST」と言っていたのを思いだしました。僕も一日、自分のBESTと思いながらやっていますが自分の都合の良い方、自分のGOODな方を取っているような気がします。言葉で言うのは簡単ですが、自分のBESTを選んでいくのは難しいです。プログラムをやることでリカバリータイムが伸び、底に通じる道路から降りて上へと登る道に乗っているんだと実感できています。

 今は守られている環境なので薬物がなくてもいられますが、いざ社会に出ると色々な感情、色々な誘惑があるのでまだ怖い部分があります。

 2年のクリーンを迎えられたのは皆さんのおかげです。

 “感謝”

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